特許行政執行方法

(2010年12月29日国家知的財産権局令第60号公布 2015年5月29日国家知的財産権局令第71号《国家知的財産権局による〈特許行政執行方法〉の改正に関する決定》により修正)

第一章 総則

第一条 行政依法執行を深化させ、特許行政執行行為を規範化し、特許権者及び社会公衆の合法的権益を保護し、市場経済秩序を維持するため、『中華人民共和国特許法』、『中華人民共和国特許法実施細則』その他関連法律法規に基づき、本方法を制定する。

第二条 特許業務を管理する部門が特許行政執行を行う場合、すなわち特許権侵害紛争の処理、特許紛争の調停及び特許偽装行為の取締りには、本方法を適用する。

第三条 特許業務を管理する部門が特許権侵害紛争を処理するには、事実に基づき、法律を基準とし、公正かつ時機を失わない原則に従わなければならない。
特許業務を管理する部門が特許紛争を調停するには、自発的かつ合法的な原則に従い、事実を究明し、是非を区別した上で、当事者間の相互理解を促し、調停合意の達成を図らなければならない。
特許業務を管理する部門が特許偽装行為を取り締まるには、事実に基づき、法律を基準とし、公正かつ公開の原則に従わなければならない。行う行政処罰は、違法行為の事実、性質、情状及び社会に対する危害の程度に相応するものでなければならない。

第四条 特許業務を管理する部門は、特許行政執行の体制強化を図り、行政執行要員の資格管理を厳格にし、行政執行責任制を実施し、特許行政執行を規範化して行わなければならない。
特許行政執行要員(以下「執行要員」という)は、国家知的財産権局又は省・自治区・直轄市人民政府が交付する行政執行証件を所持しなければならない。執行要員は公務執行に際し、厳正に制服を着用しなければならない。

第五条 重大な影響を及ぼす特許権侵害紛争事件、特許偽装事件については、国家知的財産権局は必要に応じて、関係する特許業務を管理する部門を組織し、処理及び取締りを行わせることができる。
行為発生地が二以上の省・自治区・直轄市に跨る重大な事件については、関係する省・自治区・直轄市の特許業務を管理する部門は、国家知的財産権局に対し、協調処理又は取締りを要請することができる。
特許業務を管理する部門が特許行政執行を行うに当たり疑
問題に遭遇した場合、国家知的財産権局は必要な指導と支援を行わなければならない。

第六条 特許業務を管理する部門は、当地の実情に基づき、実際の処理能力を有する市・県級人民政府が設立した特許管理部門に対し、特許偽装行為の取締り及び特許紛争の調停を委託することができる。
委託側は、受託側が行う特許偽装の取締り及び特許紛争の調停行為に対し、監督と指導を行い、法的責任を承担しなければならない。

第七条 特許業務を管理する部門が指名した執行要員が当事者と直接の利害関係を有する場合、回避しなければならず、当事者はその回避を申請する権利を有する。当事者が回避を申請する場合、理由を説明しなければならない。
執行要員の回避は、特許業務を管理する部門の責任者が決定する。回避の可否の決定がなされる前は、回避を申請された要員は当該事件への関与を一時停止しなければならない。

第八条 特許業務を管理する部門は、展示会及び電子商取引分野における行政執行を強化し、展示会期間中及び電子商取引プラットフォーム上の特許権侵害紛争を迅速に調停・処理し、特許偽装行為を遅滞なく取り締まらなければならない。

第九条 特許業務を管理する部門は、行政執行の情報化建設と情報共有を強化しなければならない。

第二章 特許権侵害紛争の処理

第十条 特許業務を管理する部門に対し、特許権侵害紛争の処理を請求するには、以下の条件を満たさなければならない。
(一)請求者が特許権者又は利害関係者であること。
(二)明確な被請求者が存在すること。
(三)明確な請求事項及び具体的な事実と理由が存在すること。
(四)当該特許業務を管理する部門の事件受理及び管轄範囲に属すること。
(五)当事者が当該特許権侵害紛争につき人民法院に提訴していないこと。
前項第一号にいう利害関係者には、特許実施許諾契約の被許諾者、特許権者の合法的相続人を含む。特許実施許諾契約の被許諾者のうち、独占実施許諾契約の被許諾者は単独で請求を提出することができる。排他的実施許諾契約の被許諾者は、特許権者が請求しない場合に、単独で請求を提出することができる。契約に別段の定めがある場合を除き、通常実施許諾契約の被許諾者は単独で請求を提出することはできない。

第十一条 特許業務を管理する部門に対し、特許権侵害紛争の処理を請求するには、請求書及び以下の証明資料を提出しなければならない。
(一)主体資格証明、すなわち個人の場合は居民身分証又はその他の有効な身分証明書を、単位の場合は有効な営業許可証又はその他の主体資格証明文書の写し及び法定代理人若しくは主たる責任者の身分証明を提出すること。
(二)特許権が有効であることの証明、すなわち特許登録簿の写し、又は特許証書及び当年の特許年間費用納付領収証を提出すること。
特許権侵害紛争が実用新案又は意匠特許に関わる場合、特許業務を管理する部門は、請求者に対し、国家知的財産権局が作成した特許権評価報告書(実用新案特許検索報告書)の提出を求めることができる。
請求者は、被請求者の数に応じて、請求書の写し及び関係証拠を提供しなければならない。

第十二条 請求書には、以下の内容を記載しなければならない。
(一)請求者の氏名又は名称、住所、法定代理人若しくは主たる責任者の氏名、職務、委託代理人がある場合は、代理人の氏名と代理機関の名称、住所
(二)被請求者の氏名又は名称、住所
(三)処理を求める事項並びに事実と理由
関係証拠及び証明資料は、請求書の添付書類として提出することができる。
請求書は、請求者による署名又は押印がなければならない。

第十三条 請求が本方法第十条の条件に符合する場合、特許業務を管理する部門は、請求書を受領した日から5営業日以内に事件受理を決定し請求者に通知するとともに、3名以上又は3名の奇数員の執行要員を指定して当該特許権侵害紛争を処理させなければならない。請求が本方法第十条の条件に符合しない場合、特許業務を管理する部門は、請求書を受領した日から5営業日以内に、請求者に対し受理しない旨を通知し、かつその理由を説明しなければならない。

第十四条 特許業務を管理する部門は、事件受理を決定した日から5営業日以内に、請求書及びその添付書類の写しを被請求者に送達し、その受領日から15日以内に答弁書を提出し、かつ請求者の数に応じて答弁書の写しを提供するよう求めなければならない。被請求者が期限経過後も答弁書を提出しない場合でも、特許業務を管理する部門の処理に影響を及ぼさない。
被請求者が答弁書を提出した場合、特許業務を管理する部門は、その受領日から5営業日以内に、答弁書の写しを請求者に送達しなければならない。

第十五条 特許業務を管理する部門が特許権侵害紛争事件を処理するに当たり、当事者の意思に基づき調停を行うことができる。双方当事者が合意に達した場合、特許業務を管理する部門が調停協議書を作成し、それに社印を押印し、かつ双方当事者が署名又は押印するものとする。調停が成立しない場合、速やかに処理決定を下さなければならない。

第十六条 特許業務を管理する部門が特許権侵害紛争を処理するに当たり、事件の必要に応じて口頭審理を行うか否かを決定することができる。特許業務を管理する部門が口頭審理を行うことを決定した場合、少なくとも口頭審理の3営業日前までに、口頭審理の日時及び場所を当事者に通知しなければならない。当事者が正当な理由なく拒んで参加しない場合、又は許可なく途中で退席した場合、請求者については請求の取下げとして扱い、被請求者については欠席として扱う。

第十七条 特許業務を管理する部門が口頭審理を行う場合、口頭審理の参加者及び審理の要点を調書に記載し、照合して誤りがないことを確認した後、執行要員及び参加者に署名又は押印させなければならない。

第十八条 特許法第五十九条第一項にいう「発明又は実用新案特許権の保護範囲はその特許請求の範囲の内容を基準とする」とは、特許権の保護範囲は、その特許請求の範囲に記載された技術的特徴により確定される範囲を基準とし、また、記載された技術的特徴と均等な特徴により確定される範囲を含むことを指す。均等な特徴とは、記載された技術的特徴と実質的に同一の手段により、実質的に同一の機能を実現し、実質的に同一の効果を達成し、かつ当該分野の通常の技術者が創造的労力を経ず想到し得る特徴を指す。

第十九条 調停協議が成立した場合又は請求者が請求を取り下げた場合を除き、特許業務を管理する部門が特許権侵害紛争を処理するには、処理決定書を作成し、以下の内容を記載しなければならない。
(一)当事者の氏名又は名称、住所
(二)当事者が陳述した事実と理由
(三)権利侵害行為が成立するか否かを認定する理由と根拠
(四)処理決定において権利侵害行為が成立すると認定し、かつ権利侵害者に対し直ちに権利侵害行為の停止を命ずる必要がある場合、被請求者に対し直ちに停止すべき権利侵害行為の類型、対象及び範囲を明確に記載しなければならない。権利侵害行為が成立しないと認定した場合、請求者の請求を棄却しなければならない。
(五)処理決定に不服があり行政訴訟を提起する途徑と期間
処理決定書には、特許業務を管理する部門の社印を押印しなければならない。

第二十条 特許業務を管理する部門又は人民法院が、権利侵害の成立を認定し、かつ権利侵害者に対し直ちに権利侵害行為の停止を命ずる処理決定又は判決を下した後、被請求者が同一の特許権について再度同類型の権利侵害行為を行った場合、特許権者又は利害関係者が処理を請求したときは、特許業務を管理する部門は、直ちに権利侵害行為の停止を命ずる処理決定を直接下すことができる。

第二十一条 特許業務を管理する部門が特許権侵害紛争を処理するには、事件受理を決定した日から3月以内に結案しなければならない。事件が特に複雑で期間の延長が必要な場合、特許業務を管理する部門の責任者の承認を受けなければならない。承認を受けて延長する期間は、1月を超えてはならない。
事件処理過程における公告、鑑定、中止等の期間は、前項に規定する事件処理期間に算入しない。

第三章 特許紛争のあっせん

第二十二条 特許業務を管理する部門に特許紛争のあっせんを請求するには、請求書を提出しなければならない。

請求書には、次の事項を記載しなければならない。

(一) 請求人の氏名または名称、住所、法定代理人または主たる責任者の氏名、役職、代理人を委任する場合には、代理人の氏名及び代理機関の名称、住所

(二) 被請求人の氏名または名称、住所

(三) あっせんを請求する具体的な事項及び理由

特許権侵害による損害賠償額のあっせんのみを請求する場合は、特許業務を管理する部門が作成した侵害行為が成立すると認定する処分決定書の写しを提出しなければならない。

第二十三条 特許業務を管理する部門は、あっせん請求書の受理後、遅滞なく、郵送、直接交付その他の方法により被請求人に請求書の写しを送達し、受領の日から15日以内に意見書を提出するよう求めなければならない。

第二十四条 被請求人が意見書を提出し、かつ、あっせんを行うことに同意した場合、特許業務を管理する部門は、意見書を受領した日から5営業日以内に立件し、請求人及び被請求人に対し、あっせんの日時及び場所を通知しなければならない。

被請求人が期限までに意見書を提出しなかった場合、又は意見書においてあっせんを受け入れない旨を表明した場合、特許業務を管理する部門は、立件せず、請求人に通知しなければならない。

第二十五条 特許業務を管理する部門が特許紛争のあっせんを行うに当たり、関係のある機関または個人の協力を求めることができる。協力を求められた機関または個人は、あっせんに協力しなければならない。

第二十六条 当事者間であっせんにより合意が成立した場合、特許業務を管理する部門は、あっせん調書を作成し、これに公印を押印し、かつ、双方の当事者が署名または記名・押印するものとする。合意が成立しなかった場合、特許業務を管理する部門は、事件を取り下げる方法で結案し、双方の当事者に通知する。

第二十七条 特許出願権又は特許権の帰属に関する紛争についてあっせんを請求する場合、当事者は、特許業務を管理する部門の受理通知書を提示して、国家知的財産権局に対し、当該特許出願又は特許権に関する手続を中止するよう請求することができる。

あっせんにより合意が成立した場合、当事者は、あっせん調書をもって、国家知的財産権局で手続の回復の手続を行わなければならない。合意が成立しなかった場合、当事者は、特許業務を管理する部門が発出した事件取下げ通知書をもって、国家知的財産権局で手続の回復の手続を行わなければならない。中止の請求の日から1年を経過しても中止の延長を請求しないときは、国家知的財産権局は、自分で関連手続を回復する。

第四章 特許偽造行為の取締り

第二十八条 特許業務を管理する部門が、特許偽造行為の疑いがあることを発見し、又は通報・苦情を受けて発見した場合、発見の日から5営業日以内又は通報・苦情を受けた日から10営業日以内に立件し、かつ、2名以上の法執行担当者を指定して調査しなければならない。

第二十九条 特許偽造行為の取締りは、行為発生地の特許業務を管理する部門が管轄する。

特許業務を管理する部門の間で管轄について争いがある場合、それらの共通の上級人民政府の特許業務を管理する部門が管轄を指定する。共通の上級人民政府の特許業務を管理する部門がない場合、国家知的財産権局が管轄を指定する。

第三十条 特許業務を管理する部門が、特許偽造の疑いのある製品を差し押さえ、押収する場合、その責任者の承認を受けなければならない。差し押さえ、押収に当たっては、当事者に関系通知書を発行しなければならない。

特許業務を管理する部門が、特許偽造の疑いのある製品を差し押さえ、押収する場合、現場で確認し、調書及び目録を作成し、当事者及び法執行担当者が署名または記名・押印するものとする。当事者が署名または記名・押印を拒否した場合、法執行担当者は、調書にその旨を記載しなければならない。目録は、当事者に1部を交付しなければならない。

第三十一条 事件の調査が終了した後、特許業務を管理する部門の責任者の承認を受けて、事件の状況に応じて、それぞれ次のように処理する。

(1) 特許偽造行為が成立し処罰すべき場合、法令に基づいて行政処罰を行う。

(2) 特許偽造行為が軽微であり、かつ、直ちに是正された場合、処罰を免除する。

(3) 特許偽造行為が成立しない場合、法令に基づいて事件を取り下げる。

(4) 犯罪の疑いがある場合、法令に基づいて公安機関に送致する。

第三十二条 特許業務を管理する部門は、処罰決定を行う前に、処罰決定を行う事実、理由及び根拠並びに当事者が法令上享有する権利を当事者に告知しなければならない。

特許業務を管理する部門は、多額の過料を科する決定を行う前に、当事者が聴聞を要求する権利を有することを告知しなければならない。当事者が聴聞の要求を提出した場合、法令に基づいて聴聞を実施しなければならない。

第三十三条 当事者は、陳述及び弁明を行う権利を有し、特許業務を管理する部門は、当事者の弁明によって行政処罰を加重してはならない。

特許業務を管理する部門は、当事者が提出した事実、理由及び証拠について検証しなければならない。当事者が提出した事実が真実であり、理由が成立する場合、特許業務を管理する部門は、これを採用しなければならない。

第三十四条 状況が複雑又は重大な違法行為に対し重い行政処罰を与える場合、特許業務を管理する部門の責任者の集団討論により決定しなければならない。

第三十五条 調査により、特許偽造行為が成立し処罰すべき場合、特許業務を管理する部門は、処罰決定書を作成し、次の事項を記載しなければならない。

(1) 当事者の氏名又は名称、住所

(2) 特許偽造行為が成立すると認定した証拠、理由及び根拠

(3) 処罰の内容及び履行方法

(4) 処罰決定に服さない場合の行政復審申請及び行政訴訟提起の途及び期限

処罰決定書には、特許業務を管理する部門の公印を押印しなければならない。

第三十六条 特許業務を管理する部門は、特許偽造事件の取締りについて、立件の日から1月以内に結案しなければならない。事件が特に複雑で期間を延長する必要がある場合、特許業務を管理する部門の責任者の承認を受けなければならない。承認を受けて延長する期間は、最大15日を超えてはならない。

事件処理過程における聴聞、公告等の期間は、前項に規定する事件処理期間に算入しない。

第五章 証拠調査・収集

第三十七条 特許権侵害紛争処理の過程において、当事者が客観的な理由により一部の証拠を自己収集できない場合、書面により特許業務を管理する部門に対し、証拠調査・収集を請求することができる。特許業務を管理する部門は、状況に応じて関係証拠を調査収集するか否かを決定する。

特許権侵害紛争の処理、特許偽造行為の取締りの過程において、特許業務を管理する部門は、必要に応じ職権で関係証拠を調査収集することができる。

法執行担当者が関係証拠を調査収集するに当たり、当事者又は関係者に対し、その行政法執行証票を示さなければならない。当事者及び関係者は、補助・協力し、状況をありのままに反映しなければならず、拒絶し、妨げてはならない。

第三十八条 特許業務を管理する部門は、証拠を調査収集するに当たり、事件に関する契約、帳簿等の関係書類を閲覧し、複写することができる。当事者及び証人に問い合わせることができる。測定、写真撮影、ビデオ撮影等の方法により現場検証を行うことができる。製造方法の特許権侵害の疑いがある場合、特許業務を管理する部門は、被調査者に対し、現場実演を求めることができる。

特許業務を管理する部門は、証拠を調査収集するに当たり、調書を作成しなければならない。調書は、法執行担当者、被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印するものとする。被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印を拒否した場合、法執行担当者は、調書にその旨を記載しなければならない。

第39条 特許業務を管理する部門は、証拠を調査収集するに当たり、抽出的な証拠収集の方式をとることができる。

製品特許に関わる場合、特許侵害の疑いのある製品から一部を抽出して見本とすることができる。方法特許に関わる場合、当該方法により直接得られた製品の疑いのあるものから一部を抽出して見本とすることができる。抽出される見本の数量は、事実を証明できる限度としなければならない。

特許業務を管理する部門が抽出的な証拠収集を行うに当たり、調書及び目録を作成し、抽出される見本の名称、特徴、数量及び保存場所を記載し、法執行担当者、被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印するものとする。被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印を拒否した場合、法執行担当者は、調書にその旨を記載しなければならない。目録は、被調査者に1部を交付しなければならない。

第四十条 証拠が滅失可能、又は後に取得することが困難となるおそれがあり、かつ、抽出的な証拠収集を行うことができない情況において、特許業務を管理する部門は、登記保存を行うことができ、かつ、7日以内に決定を行わなければならない。

登記保存された証拠は、被調査の機関又は個人が破棄し、又は移転してはならない。

特許業務を管理する部門が登記保存を行うに当たり、調書及び目録を作成し、登記保存される証拠の名称、特徴、数量及び保存場所を記載し、法執行担当者、被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印するものとする。被調査の機関又は個人が署名又は記名・押印を拒否した場合、法執行担当者は、調書にその旨を記載しなければならない。目録は、被調査者に1部を交付しなければならない。

第四十一条 特許業務を管理する部門が、他の特許業務を管理する部門に証拠調査収集の協力を委託する必要がある場合、明確な要求を提出しなければならない。委託を受けた部門は、遅滞なく、真摯に証拠調査収集を補助・協力し、かつ、速やかに回答しなければならない。

第四十二条 税関が留保した侵害嫌疑貨物について調査を行うに当たり、特許業務を管理する部門に対し協力を求める場合、特許業務を管理する部門は、法令に基づき協力しなければならない。

特許業務を管理する部門が輸出入貨物に関する特許事件を処理するに当たり、税関に対し協力を求めることができる。

第六章 法的責任

第四十三条 特許業務を管理する部門が特許権侵害行為が成立すると認定し、処分決定を行い、侵害者に対し直ちに侵害行為を停止するよう命じる場合、次の侵害行為を制止する措置を講じなければならない。

(1) 侵害者が特許侵害製品を製造する場合、その直ちに製造行為を停止し、侵害製品製造の専用設備、金型を破棄し、かつ、未販売の侵害製品を販売、使用し、又はその他いかなる形式によりも市場に放出してはならないよう命ずる。侵害製品の保存が困難な場合、侵害者に対し当該製品の破棄を命ずる。

(2) 侵害者が特許権者の許諾なく特許方法を使用する場合、侵害者に対し直ちに使用行為を停止し、特許方法実施の専用設備、金型を破棄し、かつ、未販売の特許方法により直接得られた侵害製品を販売、使用し、又はその他いかなる形式によりも市場に放出してはならないよう命ずる。侵害製品の保存が困難な場合、侵害者に対し当該製品の破棄を命ずる。

(3) 侵害者が特許侵害製品又は特許方法により直接得られた侵害製品を販売する場合、その直ちに販売行為を停止し、かつ、未販売の侵害製品を使用し、又はその他いかなる形式によりも市場に放出してはならないよう命ずる。未販売の侵害製品の保存が困難な場合、侵害者に対し当該製品の破棄を命ずる。

(4) 侵害者が特許侵害製品又は特許方法により直接得られた侵害製品の販売の申込みを行う場合、その直ちに販売申込み行為を停止し、影響を除去し、かつ、いかなる実際の販売行為も行ってはならないよう命ずる。

(5) 侵害者が特許侵害製品又は特許方法により直接得られた侵害製品を輸入する場合、侵害者に対し直ちに輸入行為を停止するよう命ずる。侵害製品が既に入国した場合、当該侵害製品を販売、使用し、又はその他いかなる形式によりも市場に放出してはならない。侵害製品の保存が困難な場合、侵害者に対し当該製品の破棄を命ずる。侵害製品が未だ入国していない場合、処分決定を関係税関に通知することができる。

(6) 侵害を行う出展者に対し、展示会から侵害展示品を撤去し、対応する宣伝材料を破棄し又は仮押さえし、対応する展示パネルを取替え又は覆い隠す等の撤展措置を講ずるよう命ずる。

(7) 侵害行為を停止するその他の必要な措置。

特許業務を管理する部門が、電子商取引プラットフォーム上の特許権侵害行為が成立すると認定し、処分決定を行う場合、電子商取引プラットフォーム提供者に対し、遅滞なく、特許侵害製品又は特許方法により直接得られた侵害製品に関するウェブページについて、削除、遮断又はリンク切断等の措置を講ずるよう通知しなければならない。

第四十四条 特許業務を管理する部門が、特許権侵害行為が成立すると認定し、かつ、侵害者に対し直ちに侵害行為を停止するよう命ずる処分決定を行った後、被請求人が人民法院に行政訴訟を提起した場合、訴訟の期間中、決定の執行を停止しない。

侵害者が、特許業務を管理する部門が行った侵害行為が成立すると認定する処分決定について、期限までに訴訟を提起せず、かつ、侵害行為を停止しない場合、特許業務を管理する部門は、人民法院に強制執行を申請することができる。

第四十五条 特許業務を管理する部門が、特許偽造行為が成立すると認定した場合、行為者に対し、次の是正措置を講ずるよう命じなければならない。

(1) 特許権を付与されていない製品又はその包装に特許標識を標示し、特許権が無効宣告された後又は終了後も引き続き製品又はその包装に特許標識を標示し、又は許諾なく製品又は製品包装に他人の特許番号を標示する場合、直ちに標示行為を停止し、未販売の製品又はその包装の特許標識を除去するよう命ずる。製品の特許標識の除去が困難な場合、当該製品又は包装を破棄するよう命ずる。

(2) 第(1)号に規定する製品を販売する場合、直ちに販売行為を停止するよう命ずる。

(3) 製品説明書等の材料において、特許権を付与されていない技術又はデザインを特許技術又は特許デザインと称し、特許出願を特許と称し、又は許諾なく他人の特許番号を使用し、公衆が関係する技術又はデザインを他人の特許技術又は特許デザインと誤認する場合、直ちに当該材料の配布を停止し、未発表の材料を破棄し、かつ、影響を除去するよう命ずる。

(4) 特許証書、特許書類又は特許出願書類を偽造し又は変造する場合、直ちに偽造又は変造行為を停止し、偽造又は変造した特許証書、特許書類又は特許出願書類を破棄し、かつ、影響を除去するよう命ずる。

(5) 特許偽造を行う出展者に対し、展示会から特許偽造展示品を撤去し、対応する宣伝材料を破棄し又は仮押さえし、対応する展示パネルを取替え又は覆い隠す等の撤展措置を講ずるよう命ずる。

(6) その他の必要な是正措置。

特許業務を管理する部門が、電子商取引プラットフォーム上の特許偽造行為が成立すると認定した場合、電子商取引プラットフォーム提供者に対し、遅滞なく、特許偽造製品に関するウェブページについて、削除、遮断又はリンク切断等の措置を講ずるよう通知しなければならない。

第四十六条 特許業務を管理する部門が、特許権侵害行為が成立すると認定し、かつ、侵害者に対し直ちに侵害行為を停止するよう命ずる決定を行い、又は特許偽造行為が成立すると認定し、かつ、処罰決定を行った場合、決定を行った日から20営業日以内に公開し、政府ウェブサイト等の途により遅滞なく法執行情報を公表しなければならない。

第四十七条 特許業務を管理する部門が、特許偽造行為が成立すると認定した場合、次の方式により行為者の違法所得を確定することができる。

(1) 特許偽造の製品を販売する場合、製品販売価格に販売した製品の数量を乗じて得た額をその違法所得とする。

(2) 特許偽造の契約を締結する場合、収受した費用をその違法所得とする。

第四十八条 特許業務を管理する部門が処罰決定を行った後、当事者が行政復審を申請し、又は人民法院に行政訴訟を提起した場合、行政復審又は訴訟の期間中、決定の執行を停止しない。

第四十九条 特許偽造行為の行為者は、処罰決定書を受領した日から15日以内に、指定された銀行において処罰決定書に記載された過料を納付しなければならない。期限までに納付しない場合、毎日、過料額の3パーセントの割合による加算過料を科する。

第五十条 特許業務を管理する部門の法定の公務執行を拒絶し、妨げる場合、公安機関が『中華人民共和国治安管理処罰法』の規定に基づき処罰する。情が嚴重で犯罪を構成する場合、司法機関が法令に基づき刑事責任を追及する。

第七章 附則

第五十一条 特許業務を管理する部門は、郵送、直接交付、留置送達、公告送達その他の方法により関係法令書類及び材料を送達することができる。

第五十二条 本法は、国知財権局が解釈する責任を負う。

第五十三条 本法は、2011年2月1日から施行する。2001年12月17日国知財権局令第19号で公布された『特許行政執法法』は、同時に廃止する。

 

日付:2015-11-30リストに戻る
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